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ケトコナゾールの作用機序と副作用

ケトコナゾール(ニゾラール)は、真菌症に作用機序を持つ薬です。
特徴的なのが、エルゴステロールの生成を妨害することでしょう。
水虫などで知られている真菌症の原因となる真菌は、人の皮膚や髪の成分であるタンパク質ケラチンを溶かして繁殖し、菌の体は細胞膜エルゴステロールによって守られています。
ケトコナゾールは、このエルゴステロールの生成を妨害することで真菌の細胞膜を弱めて死滅させ、真菌症を改善できます。

エルゴステロールの合成経路は主に

  • アセチルCoA
  • HMG-CoA
  • ペバロン酸
  • スクアレン
  • スクアレンエポキシド
  • ラノステロール
  • ジメチルコレスター
  • ジメチルチモステロール
  • フェコステロール
  • エピステロール
  • エルゴステロール

これらが生成されます。
ケトコナゾール(ニゾラール)は、細胞膜生成を促す酵素の一つであるラノステロールC-14脱メチル化酵素の働きを妨害するので、真菌は細胞膜を生成できなくなり、死滅していきます。

ケトコナゾールの剤形には、ローションタイプとクリームタイプがあります。
ローションはボトル入りの液体タイプであるためサラッとした手触りをしています。
薄く伸ばしやすく浸透しやすいという特徴を持つため、頭部や陰部などの体毛の多い部位に利用されています。
ケトコナゾールのクリームタイプは、ローションよりも浸透力に劣りますが、刺激性が低くなっており、陰部や陰茎などに使われます。

ケトコナゾールの作用機序により、エルゴステロールの細胞膜の生成を妨害しますが、人の体の細胞膜であるコレステロールの生成には影響しません。
また大きな副作用はありませんが、塗布剤なので塗布した際にしみる、ヒリヒリする、熱感があるといった刺激を感じることもあります。
この他にも接触性皮膚炎に伴うかぶれが指摘されています。
また塗布した後にかゆみを感じ、肌に赤みがさす発赤が生じるといった副作用もあります。

抗真菌薬が有効な症状と発現率は

ケトコナゾールのローションやクリームタイプは、表在性の真菌症に対して効果を発揮します。
具体的には、白癬菌が原因となる水虫(体や陰部、足など)、指間糜爛症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、体に細かいうろこ屑がつく癜風、脂漏性皮膚炎などが挙げられます。
いずれも真菌が、毛髪・角質・表皮など皮膚表面にとどまる表在性の特徴を持っています。
一方でケトコナゾールは、深在性真菌症には効果がありません。
皮膚の真皮層や場合によっては臓器に至る深在性真菌症には、経口薬を利用します。

ケトコナゾールが有効な症状としては、真菌によるかゆみの緩和効果が知られています。
また真菌がタンパク質ケラチンを溶かしてしまうことで生じる皮向けを抑止したり、皮膚に赤身がさしたり熱を発する炎症を緩和します。
この他にも皮膚の痛みに対する鎮痛作用が知られており、皮膚のひび割れの抑止や改善に加えて、水虫などによって生じる皮膚の不快感や違和感などを緩和する効果があります。
ケトコナゾールは表在性真菌症に対して高い治療効果を期待できます。

ケトコナゾールは大きな副作用はありませんが、一定の方に刺激や違和感を覚えます。
2009年~20010年にかけての発現率では、接触性皮膚炎で約1.5%、塗布部位に生じるかゆみが約0.9%、塗布部位に対する発赤が約0,7%、塗布部位への刺激が約0.5%となっており、発現率は約3.5%になっています。

また症例数を参考にすると、総症例数6346例中、先に取り上げた副作用を感じたのが224人となっています。
人数にすると接触皮膚炎が97件、かゆみが55件、発赤が43件、刺激感が30件です。